東方夢物語

東方魅火球
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東方魅火球
〜短編でもプロローグ〜

ここは悪魔の棲む館、紅魔館。何かと変わった小話はここから始まる。
「紅 美鈴!紅 美鈴はいるかしら?」
幼さとカリスマが混じった声が中庭に広がる。
「お呼びですか?お嬢様」
間もなく現れたのは従者の一人、紅 美鈴である。悩みは名前を覚えてもらえないことらしい。
「今回はプロローグなんだと私の運命視が告げてるわ!」
「はあ、プロローグですか。何のプロローグなんですか?」
「それは判らないわ。でもプロローグだと告げられてるわ!」
「ええっ!?それじゃどうしようもありませんよぉ!ミステリー物でほのぼの系のプロローグやってすべるとかは嫌ですからね!」
「貴女は口を挟まないで、美鈴。あと次に名前を正確に言えるのはいつになるか判らないとも運命視は告げてるわ」
「そんなぁ!?」
ショックを受けている美鈴をスルーしてお嬢様と呼ばれた少女、レミリアはいわゆる『お茶の間の方』を向いて喋りだした。
「この小説は6割がフィクションよ!実際の幻想郷、人物、団体とはほぼ関係ないわ!あ、それとこの小説は東方projectを原作とした二次創作よ。見ての通りキャラ設定は大分異なってるわ、注意して。」
そこまで言って一息つき、
「はー、運命視で告げられた分は言ったわ。一気に喋ったら喉が乾いたわね・・・。咲夜、お茶をお願い!」
いつの間にか彼女の背後にメイド姿の女性が佇んでいた。彼女が十六夜咲夜。紅魔館のメイド長である。
「かしこまりました、お嬢様」
「うわっ!?咲夜さんいつの間に!?」
美鈴が驚きの声をあげた。
「最初からよ。あと貴女がサボってる間に白黒の魔法使いが正門から堂々と入ってきたわよ」
「・・・あっ!」
今更だが、美鈴は門番が仕事である。
「お嬢様のお相手も大事だけどあの魔法使いはタチ悪いんだから気を付けなさい。」
そういって咲夜は姿を消した。美鈴の帽子にナイフを刺してから。
「ヒィッ!?」
「さて、今日は満足したわ。じゃあ門番、引き続きお願いね。」
「カタカタ・・・はぁぃ・・・」
完全に力が抜けた美鈴が力のない声で返した。

紅魔館は今日も平和である。
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