読み物

君だけのヒーロー (銀高3Z)
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「晋助様ァ!こ、これ‥校門の所で渡されたっス」


昼時間を少し過ぎた頃、バタバタと慌てた様子でまた子が駆け寄ってくる。

たまり場でいつものようにそろばん本を読んでいた高杉は息を切らすまた子に目を向けた。

「なんだ」

「また夜兎高からの果たし状がきたっス‥」

「へぇ、貸してみな」

また子から果たし状を受け取り中を読みはじめる
不安気な顔でまた子は高杉を見るも、高杉はフン、と鼻で笑うと果たし状をポケットにしまい立ち上がる。


「し、晋助様‥」

「いいかこの事は誰にも他言するな。特に銀八にな、前回のように邪魔されたくねぇしな」

「一人で行くんスか!?」

「神威(やつ)はサシで喧嘩してぇっつてんだ 俺も決着つけたいしな」

「で、でも‥!」


何かを言いかけるまた子に構わず高杉はたまり場を後にした−−−






−−−−−



「…」

果たし状に書かれた場所に到着した高杉は小さく溜め息をついた。
目の前には差出人の神威の姿はない。待ち構えていたのは数人の夜兎高でも吉原高の生徒でもない奴ら数人だったのだ。


『待ってたぜ高杉晋助』

「随分と大人数でいやがる。神威(やつ)の差し金‥じゃあなさそうだな」

『あれはオメーを呼び出す罠よ。まさか本当に一人で来るとはね」


ニヤニヤと笑う男達の手には金属バットが握られている。高杉は動じることはしなかった


「俺に何の恨みがあんのか知らねーが‥売られた喧嘩は買ってやるよ」

『一人で勝てると思ってんのか?てめぇらやっちまえ!!』

一斉に襲いかかる男達に高杉は鞄を投げ捨て一人立ち向かっていった−−−





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