短編読物

銀高4
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「今頃何の用ですかコノヤロー」

「随分な言い草じゃねぇか」



何の前触れもなく彼は突然現れる。それを特に驚くことはしない。いつものこと。けれど今日の銀時は不機嫌で。


「今月がどんなに大事な月かわかってねぇの?オメェの大好きな銀さんの誕生月なんだけど」

「10日も過ぎてんだけど。あ、もしかして今日と勘違い?いやいやそれはないっしょ」

ブツブツと文句たっぷりの銀時に高杉は煙管をくわえたまま鼻で笑った。

「何その笑いブチ犯すぞ」

「そんなに祝ってほしかったのか?銀時ィ」

「べっつにぃこの歳にして嬉しかねぇしぃ」



わざとらしく頬を膨らませそっぽを向く姿は図星といっていいだろう。小さく「新八達に祝ってもらったしぃ」と自慢にならない自慢を言う彼に高杉はゆっくりと近付いた。

「馬鹿だな」

「ああ!?馬鹿っつーほうが馬鹿なんですー」

「俺がたった一日だけの為に特別な事すると思ったか?」


ずいっと顔を近付ける高杉に銀時はぐっ…と言葉を詰まらせると同時に頬を紅潮させた。

「テメェの誕生日餓鬼共に祝わってもらったんだろ?いいことじゃねェか。俺ァなテメェに会う度に喜ばしてやってんだろ」



-それ以上ねだるんじゃねぇよ- そう告げ軽いキス

あっけにとられ暫く固まったままの銀時。けれどすぐに吹き出す。

「オイオイ、それってオメェに会うことが最高のプレゼントでも言いてぇの?」

「違うか?」

「けっ、とんだ高杉様だよなら…」

グッと高杉の身体を引き寄せ耳元で囁く。


「今日もたっぷり喜ばせろよ」


――終
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